全機は、隼《はやぶさ》のように、日本機の編隊のうえにとびかかっていった。ピート一等兵は、びっくりして、機銃にしがみついた。

「はあ、戦闘用意ですか。どうすればいいのですかな」 たよりない二人だった。 すると伝声管から、また機長のこえが、ひびいてきた。「早くせんか。ピート一等兵は、後方機銃座へつけ。パイ軍曹は、爆撃座へつけ。早くやれ」「はい」 機関銃座へつけといっても、飛行機のうえの射撃には経験のないピート一等兵だった。またパイ軍曹にしてみれば、機上から爆撃なんて、やったことがない。しかし命令とあれば、つくより仕方がない。 ピート一等兵は、銃座へのぼった。そして始めて、空中のありさまが、はっきり眼にうつった。 前方を、うつくしく編隊をくんだ十五、六機がとんでいく。それはどうやらさっき基地の上を低空飛行でとびさった日本機らしかった。マック飛行隊は快速を利用して今、ぐんぐんと近づきつつあるのだった。 マック大尉ののった指揮機が、翼を左右にふった。「あれッ。あんなことをして、のんきに、遊んでやがる」 それが指揮機の発した戦闘命令だとも知らず、ピート一等兵は、のんきな解釈をしている。「戦闘開始。各個にうて!」 機長が、りんりんたるこえで、号令をくだした。 すると、全機は、隼《はやぶさ》のように、日本機の編隊のうえにとびかかっていった。ピート一等兵は、びっくりして、機銃にしがみついた。照準をあわせたり、引金をひくどころではない。

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